トマス・ラーベンシュタイン (Thomas Rabenstein)
1963.03.15 – 2025.02.02
2月4日付のPROC(ファン・ツェントラーレ)の告知によると、ローダン作家であり、インターネット上でのファン活動の草分けでもあったトマス・ラーベンシュタインが2月2日に、長い闘病生活のすえ亡くなったとのこと。
オンラインでのファン活動として、彼の主導するPRWCC (ペリー・ローダン・ワールド・コミュニケーション・クラブ)と、現在ファン・ツェントラーレ代表であるニルス・ヒルゼラントのTOPRC(オンライン・ペリー・ローダン・クラブ・テラニア)が1998年に合体したものが、後のPROC(ペリー・ローダン・オンライン・クラブ)の母体となった。
※PROCは公式FCともいえるファン・ツェントラーレにプロジェクトを委譲して2016年に解散。
また、彼の運営していたサイト〈Perry Rhodan-Webchronik〉は、各話の要約、用語解説等、後のPerrypediaの前身ともいえる様式だった。まだ電書がなく、原書輸入にタイムラグが数ヵ月かかった90年代に、先読み情報を仕入れるのに、とてもお世話になった。
このサイトは2003年12月に閉鎖され、Webchronikの看板を別のファンに譲り渡した(現在はそちらも閉鎖)。入れ替わるように翌年1月からPerrypediaが立ちあげられ、現在もつづいているのは皆さんご存じのとおり。
彼がいなければ、オンライン上のローダン・ファンの活動は大幅に遅れをきたしたと思う。PROCをはじめ、Perrypedia等、やがて同様のものはできたにしろ、現在の様相はまったくちがうものになっていただろう。多大な功績を残したファンのひとりであることはまちがいない。
サイト跡地では、独自のSFシリーズNebularが発表され、77編(予告された78話はどうなるかは不明)が刊行。一部は英訳もされている。
旧Chronik閉鎖以降ローダンのファン活動とは少し距離をおいたようで、同時期に刊行されたローダン宇宙を舞台としたファンシリーズVithauあたりが最後となるのか。
とはいえ、まったく縁が切れたわけではなく、2019年には2999/3000話の空白を埋めるミニシリーズ〈失われた世紀〉の第2話「黄金の平和」を執筆。ゴンドゥナトの継承権を持つ姫が、第二太陽系帝国を訪問中にテロリストに襲われてVRサバゲー大好きなゲオン人(テラナーの末裔)のお嬢さんに救われるというエピソードで、なかなか面白かった。
また、昔からCGグラフィックを手がけており、自著Nebularの表紙はもとより、PROCの会誌SOLの表紙を担当することもあった。多才なかたであった。
わたしより2つ上なので、来月には62歳をむかえるはずだった。謹んでご冥福を祈りたい。
■PROC:Thomas Rabenstein ist tot
■個人サイト:SciFi World Medien
コメント